日本語教師のブルース

アメリカの大学で教えている日本語教師のブログです。

アメリカの大学の日本語クラスの様子 〜秋から冬〜

ここFredericksburgは秋のピークをあっという間に過ぎ、冬支度の準備。とは言っても、急に暖かさ(暑さ)が戻ったりと・・・体調管理に忙しい日々です。

 

学生も例外でなく、欠席や体調不良が目立ち始めました。クラスに来てもぼーっとしていたり、咳をしたりと、安定しない様子。特に101は朝イチなので、「眠気まなこ」でやってきて、授業終盤にようやく目が覚める、なんて学生もちらほら。

 

寝坊、遅刻、欠席ばかりの学生時代を過ごした私にとって、朝イチの授業の辛さはよくわかる。なので、なるべく目が覚めるような授業(知的興奮がある授業)を、と自分に言い聞かせている。が、これが難しい・・・。

 

さて、101はLesson2に入り、第2の述語:"Adjectival(いわゆる『い形容詞』)"に奮闘中。

第1の述語:"Nominal + Copula(名詞+です)"に慣れたと思ったら新しい述語に対応しなければならないため「高いじゃないです」等がポロッと口から出てしまう。

 

それでも私が「ん?」という顔をすると、「あっ」と頭にAdjectivalチャートを思い浮かべながら「高・・くな・・いです」と訂正できるから偉い。

最近では、私の「ん?」顔を真似する学生も。間違いが自分達でわかる、訂正できるというのは素晴らしいことですね。※正しくても顔を作る、「ん?顔」の誤用も出始めたのはご愛嬌。面白いからいいけど。

 

"Adjectival"に加えて、「こそあどseries(これ/このN /ここ)も練習中。

「こそあどseries」は話者と対称の位置関係で使い分けなければならず、厄介ものです。

例:

教師 :「〜さんのスマホiphoneですね」

学生1:「はい、(私のスマホは)iphoneです」

教師 :「(別の学生のスマホを指して)そのスマホiphoneですか」

学生2:「はい、このスマホiphoneです」

 

それでも、N+CとAdjectivalがあると会話を広げやすいので「話してる感覚」が得られて学生も楽しい様子。個人差が顕著になってきたため、なるべく底上げできるようにしなければ・・・。

 

201は「普通形シリーズ」(と思う/そうだ(I heard ~)/と言う)に慣れてきました。語彙も徐々に増え、いい感じ。ただ、普通形と同時に「て形+いる(例:食べている)」にも取り組んでいるため、まだごちゃごちゃしている学生も多く、会話が止まってしまうことも。

 

私の「ドリル」クラスは「教師が質問/発問」→「全員が答える」ということはないため、名指しされた個々が答える/わからなければわかる学生に助けを求めることが求められます。

 

自分が当てられていないのに答えてしまうのはご法度です。彼らも心得ていて、不安そうに答えている学生に周りの学生が「頭を縦、横に振る」、「小声で教える」等の戦法で助け船を渡し、ドリル=サバイバルを生き抜こうと必死になっています。

いい雰囲気なのですが、甲子園並みのボディーランゲージが飛び交うこともあるため、厄介です。

 

そんなときは撮影に見立て「TAKE〜!」と叫び、即席カメラマンとマイクを登場させ(こういうことは積極的/自発的にやってくれる)、間違ったりスムーズに言えなかった学生にもう一度言うチャンスを与えます。

 

そんなことをやっていると思わぬプレゼントが。

まさか本物を使うことになるとは・・・

「カチンコ」です。英語では"Clapperboard"というそう。

実物を見たり使ったりしたことはありますか。できればクラスで使わせてほしくないんですけどね。

 

 

プライベートではようやく中古車の購入をしました。活動範囲が広がり、実際に見える景色も変わってきました。中古車購入の流れについても、備忘録も兼ねて報告します(色々失敗したので)。

 

それでは。

 

カチンコを

持つと締まる心持ち

ドリルを通して

目指すガチンコトーク

 

ただ「言わせる」のではなく「やりとりをしてもらう」には、何度も練習が必要。実際の会話は全てファーストテイクですからね。カット!

 

 

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今回の曲: