日本語教師のブルース

アメリカの大学で教えている日本語教師のブログです。

PP(格助詞)とSP(取り立て助詞)

今回もPP(格助詞)とSP(取り立て助詞)について。一応、今回で「PP+SP」のシステムは完結です!

 

前回の記事をまだ読んでいない方は、こちらから。

kadejump.hatenablog.com

 

 

もう一度確認!PPとSP!

「PP」は「Primary:最初、重要な」という意味があり、「SP」は「Secondary:セカンダリー:第二、補助的な」という意味があることを書きました。

その名の通り、「PP」があるから「SP」がある。つまり「SP」は「PP」がないと使えない、完全なる主従関係で成り立っていることがわかります。

 

「PP」は文節(セグメント)を作り、述語に対しての役割を示す。

「SP」はPPの後に付き、その文節・役割を追加する。

 

ん?でも「SP」だけの文もあるよね?そう鋭く察した方もいると思います。はい、あります。ただし、それはそう見えているだけ、なんです。

※前々回の記事も参考にどうぞ!

kadejump.hatenablog.com

 

PP+SP=?

PPとSPの主従関係を式にしてしまうと「PP+SP」です。式にしてしまった以上、答え(『PP+SP=?』)がなければいけません。先に答えからご紹介!以下の3つです。

 

PP+SP=3つの変化!

 

同じ「PP+SP」なのに、3つの変化がある・・・。何がそうさせているのか・・・PPとSPの組み合わせ(例文)を考えてみてください。「SP」はご存知「は」、「も」、「だけ」、「しか」、「さえ」です。※現在、もう1つ「SPっぽい」と考えているものがあります。が、別記事で!

どうですか?3つに分類できるはずですよ!

 

詳しく見てみましょう!

 

「PP+SP=3つの変化」

実はPPは「+SP」つまり、SPがついたときに3つの変化が起こります。その3つの変化をシステムとして捉えて、3つのグループに分けた。それがJUMPsystemです。JUMP以外でここまでシンプルかつ論理的にシステム化されているのを見たことがありません。※あれば教えてください。

 

それぞれのグループにどういう変化が起こるかというと・・・。

PPの3つのグループ!

 

PPには複数の意味を持つものがあります。 例:レストラン食べます/車行きます

意味的違いはあるものの、まずシステムが先!※システムで考えたら同じだし、分ける必要は・・・?。それがJUMPです。そのため、特に意味上で分けて書いてありませんのであしからず。

 

さて、「G1」は削除、「G2」はどちらでもOK、「G3」はキープとなっているのですが、その理由は何でしょうか。それはPPがない場合、曖昧になるか否かです。例えば・・・

 

G1「削除」の場合

 

ご覧の通り、「何を読むか」は「を」が消えても「本」であることは変わりません。※「が」については前記事で書いたのでご覧ください。

 

G2「削除/キープ」の場合

G2は場所名詞+「に/へ」+移動動詞です。こちらはPPが消えてもキープしても、特に意味は変わりません。

G3「キープ」の場合

ところが、G3になると、PPが消えてしまうと意味が変わってしまうんですね。なので、「キープ」。文節の役割を曖昧にしないように。

 

 

さて、上記例をもとに他の「PP+SP」でどうなるか、是非試してみてください。面白いぐらい全て当てはまりますよ!JUMPsystemはすごい!

 

続々「が」か「は」か?

「PP+SP=3つの変化」。このシステムで考えれば「が」と「は」の違いに頭を悩まして枕を濡らす日々とは、おさらばです。まとめると

 

  • PPはSPが付いた場合の変化で3つに分けられる
  • PPが作る文節は発信者/受信者にとって「新しい/大切な情報」
  • SPが付いた文節は「補足的情報」=SPが付いていない文節が「新しい/大切な情報」。

 

助詞三部作、いかがでしたか。少しでも考えるヒントになれば幸いです。

 

助詞指導

意味論陥る

エスチョン

システムわかれば

落ちる、ストン

 

助詞会があれば、飛んでいきます。

 

 

 

助詞について、ご意見をお待ちしています!

 

 

Q: 「PP」と「SP」総まとめ 

⑧《レッスン3・4・5》助詞は驚くほどシステマチックです!【日本語教師必見】格助詞と副助詞のシステマチックさに目から鱗✨【JUMPsystem JUMPⅡ(助詞)総まとめ】 - YouTube

 

今回の曲:

Woman (Ultimate Mix) - YouTube