日本語教師のブルース

アメリカの大学で教えている日本語教師のブログです。

日本語文法を簡単に!「JUMPsytsmte」解説 JUMP1:述語

JUMP1:述語(Predicates)

JUMPsystdnでは、日本語の述語を「システム」で捉えて3つに分けています。

 

①Nominal+Copula(ノミナル+コッピュラ) 

 例:先生です/きれいです

②Adjectival(アジェクタイバル) 

 例:やさしいです

③Verbal(バーバル)

  例:食べます

 

伝統的、一般的な日本語文法では①名詞文、②い形容詞、③な形容詞文、④動詞文があります。JUMPsystemの3つと一般論の4つとでは、数の違いのほかに大きな違いがあります。それは「活用(使い方)」で分けるか、「名前(意味)」で分けるかという点です。

 

 

「な形容詞」なんてナンセンス???

以下は、「い形容詞」と「な形容詞」の活用表です。同じ「名前」なのに、「使い方」が全然違うのがわかると思います。

 

 

※「あつくないです=あつくありません」でも同じです。

 

使い方が違うのに同じ名前で押し通され続けているのは、考えている人が違いがわかる、つまり、日本語がわかるからです。伝統を重んじる日本ならではでしょうか。学ぶ側にとっては不利益でしかありません。

「ミルク」という名前なのに実は「洗剤」だったら「なんでこんな紛らわしい名前を!」と思っちゃいますよね。過激な例かもしれませんが、同じことです。「色が白くて、ミルクっぽいから」と言われたら…。

 

 

一方、JUMPsystemでは、「活用(使い方)」で「な形容詞」を捉えました。「のNominal(名詞)」と全く同じ使い方の「な形容詞」を「なNominal」と名前を変え、扱っています。

Nominal+Copula(ノミナル+コッピュラ)活用表

いかがですか。全く同じだということがわかると思います。※「じゃないです=~じゃありません」

 

この「システム」は単文から複文、重文(『てform』や『〜けど〜』、『〜と思います』など)になっても変わりません。また、「JUMP3:修飾」ではこのシステム:「JUMP1:述語」が活きてきます。

 

ちなみにJUMPsystemでは、初めのうちはAdjectivalは「〜くありません」ではなく「〜ないです」で教えます。それは①シンプルなこと、②Direct style(普通形)や「てform」を勉強するときに便利だからです。

 

Adjectival(アジェクタイバル)の「です」は必要なし?

一見Copulaと同じ「です」ですが、Adjectivalnの「です」は単なる装飾品です。つければ「敬体(丁寧)」になるだけで「活用」には必要ありません。

 

※Imperfective=未完了(習慣・未来)、Perfective=完了(過去・過去完了)。

 

 

Verbal(バーバル:動詞)

Verbalは前述した「Direct style(普通形)」を学ぶまでは「〜ます」で勉強します。

 

いかがでしたか。

日本語文法をシステムで捉えるのは、日本語が母語の日本人にとっては少々難しいかもしれません。でも、もしも教える立場なら、ぜひ、JUMPsystemを活用してください。まずは、ルール、その後に、意味(と適切な場面での使用)です。

 

ありがとうございました。

 

「JUMP1:述語」に関する動画はこちら。

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